壊れにくい軽自動車はどれ?中古車選びの落とし穴とおすすめ車種を徹底解説
壊れにくい軽自動車はどれ?中古車選びの落とし穴とおすすめ車種を徹底解説
中古の軽自動車を探しているけれど、「どのモデルが壊れにくいんだろう?」「買ってすぐに修理費がかかるのは避けたい」と悩んでいませんか?今日のブログでは、そんな疑問を解消するために、専門の整備士が実際に経験した故障事例や、安心して乗れるおすすめの軽自動車、さらには注意すべき車種まで、中古車選びのポイントを詳しくご紹介します。
中古軽自動車購入時の注意点:走行距離に潜む落とし穴
中古の軽自動車を選ぶ際、まず注意したいのが走行距離です。特に「中途半端な走行距離」の車は避けるべきだと、整備士は指摘します。具体的には、6万キロ前後の走行距離の車には注意が必要です。
なぜなら、軽自動車は一般的な乗用車に比べてエンジンの回転数が高い傾向にあるため、消耗部品の劣化が早まる傾向があるからです。例えば、通常10万キロでの交換が推奨されるスパークプラグも、軽自動車では6万キロあたりで故障するケースが多々あります。このような車を購入してしまうと、すぐにメンテナンス費用がかさんでしまう可能性があります。購入を検討する際は、車両のメンテナンス履歴がしっかりと記録されているかを確認することが非常に重要です。
故障しにくいおすすめ中古車
では、中古車として安心して選べる、故障しにくい軽自動車にはどんなモデルがあるのでしょうか。
現行モデルのハスラーとワゴンR
現行モデルのハスラーやワゴンRは、非常に故障しにくいと評価されています。その大きな理由は、2017年以降のモデルに搭載された「R06A」型エンジンにあります。以前の「K6A」型エンジンは、オルタネーター、イグニッションコイル、コンピューター、スロットルボディなど、多くの部品で故障報告がありましたが、R06A型エンジンになってからは、エンジン本体の故障やエンストといったトラブルが格段に減っています。
R06A型エンジンは、マイルドハイブリッドシステムが搭載され、パワーと燃費性能が向上。特に坂道での加速性能は顕著に改善されており、ノンターボモデルでもストレスなく走行できます。トランスミッションの不具合も減り、ハイブリッドシステム関連の軽微なエラーは走行距離が伸びると発生する可能性はあるものの、致命的な高額修理につながるケースは減少傾向にあります。
現行モデルのデイズ
現行モデルのデイズも、初代モデルと比較して飛躍的に性能が向上し、おすすめできる一台です。初代デイズは、パワー不足と燃費の悪さが課題でしたが、現行モデルは日産とルノーのアライアンスによって設計されたエンジンを搭載。圧倒的なパワーアップと燃費性能の改善を実現しました。CVT(無段変速機)との組み合わせも非常にスムーズで、ノンターボ車でも田舎道でストレスを感じることはほとんどありません。
メンテナンスの重要性:10万キロ超えも夢じゃない
現代の軽自動車は、適切なメンテナンスを行えば、平均で10万キロはもちろん、20万キロ以上走行することも可能です。特にオイル交換は、単なる消耗品の交換以上の意味を持ちます。整備士が車の点検を行う際、オイル交換のために車の下に潜ることで、オイル漏れなど他の潜在的な故障を早期に発見できることがあります。これにより、後々10万円かかるような大きな修理を3万円程度の予防修理で済ませることも可能です。たとえ5万キロを超えた車両でも、こまめなメンテナンスを前提とするならば、長く安心して乗ることができます。
故障が多い車種について
一方で、リリースから数年〜10年程度経ち、故障が増加傾向にある車種もあります。
N-BOX
大人気のN-BOXですが、近年故障の相談が増えているのが「セルモーター」です。アイドリングストップ機能の使用頻度が高いことが原因で、セルモーター本体が故障しやすくなっています。信号待ちでエンジンが停止した後、再始動できずに立ち往生してしまうケースが多発しています。N-BOXのセルモーターは部品代が高額になる傾向があり、注意が必要です。
ジムニー
ジムニーも人気車種の一つですが、走行距離が6万〜8万キロを超えたあたりから「オルタネーター」の故障に関する問い合わせが増えています。新車保証期間を過ぎてしまうと、ディーラーでの新品部品交換は10万円以上の高額な費用がかかることが多く、オーナーを悩ませています。
エブリイ
配達業者にも人気の高いエブリイですが、現行モデルに搭載されているR06A型エンジンの「オルタネーター」が高額であることが弱点です。普通乗用車と変わらないほどの部品代がかかるため、修理費が高くなる傾向があります。また、電動ファンを含む冷却水系のトラブルも比較的発生しやすい車種です。オルタネーターや電動ファンは、12万キロを超えるといつ故障してもおかしくないと考えておくべきでしょう。
番外編:最強の「ゾンビエンジン」3G83
少し番外編となりますが、一部の整備士の間で「ゾンビエンジン」と呼ばれる伝説のエンジン「3G83」型エンジンが存在します。このエンジンは、三菱が製造していたミニキャブ、クリッパー、eKワゴンなどに搭載されていました。
オイルメンテナンスが不十分で、オイル量が極端に少ない状態(例:500ccしかない)であっても、適切な量のオイルを補充すれば、その後何年もの間、エンジントラブルなく走り続けるといった逸話が語られるほどの驚異的な頑丈さを持っています。オイル漏れやオイルメンテナンスの悪さには弱い面もありますが、定期的なオイル交換(3,000キロごとに安価なオイルで十分)さえ行っていれば、エンジン本体のトラブルはほとんど起きません。維持費も安く抑えられるため、整備に詳しい方やDIYでメンテナンスができる方にとっては、5万キロを超えていても「迷わずおすすめ」できる中古車と言えるでしょう。ただし、新車ではすでに搭載されていないエンジンであるため、中古車市場で探すことになります。
まとめ
中古の軽自動車を選ぶ際は、走行距離、特に6万キロ前後の車両はメンテナンス履歴をしっかり確認することが重要です。現行モデルのハスラー、ワゴンR、デイズは、エンジンの改良により故障が少なく、おすすめできます。一方で、N-BOXのセルモーター、ジムニーのオルタネーター、エブリイのオルタネーターや電動ファンなど、特定の車種で故障が増加傾向にある部品についても知識を持つことが大切です。そして何よりも、新車であろうと中古車であろうと、こまめなメンテナンスが車の寿命を延ばし、予期せぬ高額修理を防ぐ最も効果的な方法です。
軽自動車の故障や修理に関するご相談は、ぜひAdvanceTechまでお気軽にお問い合わせください。
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